【V字回復】の裏側から学ぶ集客のヒント

日本で1番優秀なマーケターが業績の悪化した企業を次々にⅤ字回復させています

彼曰く【困ったら現場を歩け、答えは必ず現場にある】

この記事は、日本で1番優秀なマーケターがどのような考え方を起点にⅤ字回復を成し遂げたのかを紐解いていきます

最後までご覧いただければ、あなたのビジネスのⅤ字回復をするきっかけに出会えるかもしれません。

倒産件数が増加

飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長していた「いきなりステーキ」の赤字決算(2019)

値上げを機に業績が低迷した「鳥貴族」などFC(フランチャイズ)事業も大手だから安心なんて事はありません

FCの最大規模と言えばコンビニですが近年ではコンビニエンスストアの倒産も増えています

東京商工リサーチの調査によると2017年の倒産件数は51件(前年比24.3%増)で5年連続で前年を上回りました

これは調査が開始された02年以降で最多の53件(03年)に迫る勢いで過去2番目の数字で休廃業・解散は155件で過去最多を記録、

倒産との合計は初の200件台となる206件で最多記録を更新しました2万店を突破したセブン-イレブンをはじめ

ファミリーマートやローソンなどがしのぎを削るコンビニ業界ですが遂に飽和しシュリンクを始めたようです

v字回復 仕掛け人

うどん専門店でおなじみの丸亀製麺

㈱丸亀製麺は、㈱トリドールホールディングス傘下の企業、およびその店舗ブランド

当初はトリドールが直営する一ブランドでしたが2016年の会社分割を経て株式会社丸亀製麺となりました

釜揚げうどん等を店内で製麺・調理し低価格で提供する直営多店舗展開を行っていますがその後業績は、低迷していました

そこで丸亀製麺は、2018年秋に1人の男にコンサルティングを依頼しました

その男は、森岡毅(もりおかつよし)

森岡 毅は、日本を代表するマーケター、戦略家でビジネス書のベストセラー作家としての顔も持ちます

森岡氏は、経営難に陥っていたユニバーサル・スタジオ・ジャパンを劇的にV字回復させた人物として知られています

2017年1月末に株式会社ユー・エス・ジェイ を退任後、世界初のマーケティングノウハウのライセンシングカンパニーである株式会社「刀」を設立

代表取締役CEOに就任

森岡氏は2019年1月に丸亀製麺の新施策をスタートさせてから、たったの4ヶ月間で20%もの集客数の伸び率を記録しています

USJ 【V字回復】の仕掛け人森岡毅

ユニバーサルジャパンと言えば、世界に4箇所開業しています

ハリウッド、フロリダ、大阪、シンガポール

大阪の開業費用は、1250億円

2001年3月31日にオープンして初年度に世界最速で入客数1000万人を超え1100万人が来場し大いに話題となりましたが、翌年の2年目には763万人と約350万人減少しました

2001年:1102万人

2002年:763万人(69%)

2003年:988万人(129%)

2004年:810万人(82%)

事実上の経営破綻にて社長交代

2005年:831万人(84%)

2006年:869万人(105%)

2007年:864万人(99%)

2008年:813万人(94%)

2009年:750万人(95%)

2010年:730万人(97%)

USJの来場者数は開業から翌年が急激に落ちています

その原因とされているのが翌年に起こった3つの不祥事です

1-アトラクションの火薬を超過使用していた事が発覚

2-工業用と飲料用配管が繋がっていた問題

3-期限切れ食品の提供

この様な不祥事が相次いで発覚した事で来場者数が見る見る落ち込んで行き3年後の2004年には事実上の経営破綻となりました

そこで本家のユニバーサル社からグレンガンペル氏が送られて新社長として就任

グレン氏は徹底したコスト削減をする事で経営破綻の危機をギリギリの所で免れていましたが、肝心の来場者数は低迷したままでした

そこで2010年に森岡氏をマーケティング部長としてヘッドハンティングしたのです

客が減ったから不祥事が起きた

森岡氏は、幹部社員に業績低迷の理由を分析させました

その結果2つの仮説が出て来ました

1つ目は、開業2年目に起きた不祥事がブランド価値を低迷させている

2つ目は、TDR(東京ディズニーランド)との差別化が出来ておらずTDRに客を取られている

一見最もらしい仮説ですが森岡氏がこの2つの仮説をどちらも違うと一刀両断しました

1つ目の仮説

8年も前の事を客は引きずっていないし、不祥事が起きたから客が減ったのではなくて、客が減ったから不祥事が起きたのだ

とこの仮説を否定

2つ目の仮説

USJとTDRの間は凄く離れており差別化する必要が無いとしこれも否定しました

遠方のユーザーをターゲティングするのではなく関西エリアの地元ユーザーを集める事が成功の「鍵」だとしたのです

地域密着型営業とはよく聞くマーケティング手法ですが、灯台下暗しでした

困ったら現場を歩け

森岡氏が今のUSJの問題を明らかにして行きます

1つ目の問題は、テーマです

当時USJは、映画だけをテーマにしてTDRと差別化を図ろうとしていました

映画に絞り込む事でマーケットサイズを小さくしていると考えたのです

映画のテーマパークからアニメ音楽ゲームと様々なジャンルの中で最高の商品を選定することで世界最高のセレクトショップをテーマにしたのです

次に長期戦略(3年後以降)

中期戦略(3年後まで)の戦略を考えました

長期にハリーポッターを行うと決定しましたが建設費などに450億円の投資費用がかかります(当時のUSJの売上は750億円)

これを決定した事でハリーポッターまでの3年間は予算がほとんど残らなかったのです

そこでいかにお金をかけずに集客するか?という【アイディア】が必要になったのです

お金をかけずに集客する方法、アイディアを考えなくてはいけません

しかもハリーポッターが開業するのは3年後

森岡氏は、かつての師匠の教えを思い出しました

【困ったら現場を歩け、答えは必ず現場にある】

森岡氏は、この言葉通りに朝から晩までずーーーと現場を見て歩き、時に同じ場所で数時間もボーっと立っていました

そしていくつものヒットイベントを生み出して行きます

2010年

ワンピース、モンスターハンターとの新コンテンツ導入

2011年春

キッズフリーパス

大人1人につき子供1人が入場料無料

2011年秋

ハロウィンホラーナイト

USJは元からハロウィンイベントを行なっていましたが7万人程度のプラス集客しか達成しておらず

実質赤字イベントだった所を森岡氏がゾンビをパーク全体に広げるというアイディアからコストを使わず2ヶ月でプラス40万人の集客効果を出しました

2012年

ユニバーサルワンダーランド

新ファミリー施設

パーク内に点在していた子供向けアトラクションを一箇所に集めてファミリー施設を作りました

家族連れが少ない事が課題であったUSJと持ち出しの資金が無かった事で考えた施策です

そして2013年あの後ろ向きジェットコースター

【今ある物で何とかしよう】と思っていなければこのアイディアは浮かんでいません

このアイディアで最長9時間40分の並びが出た程のヒットイベントでした

この年はTDRの30周年とバッティングしていましたがUSJは祈願の1000万人を突破してTDRとの差別化が不要であったと証明したのです

2014年

ユニバーサルクールジャパン

エヴァンゲリオンを中心としたアニメキャラを集めたイベント

打率9割8分4厘

2014年待ちに待ったハリーポッターが大阪に上陸しました

USJは、5年で660万人以上の集客UPを行いましたがその内ハリーポッターでの集客は260万人程度と全体の約4割でした

残りの6割は、お金をかけないアイディアで資金を稼ぎ、各分野で最高の版権とコラボして行くという施策を無数に打ち続けたのです

森岡氏は、2010年入社して2017年に退社するまでの7年間で64個のイベントを行いました

2010年:730万人(97%)

当時38歳であった森岡をジャンプー会社からヘッドハンティング

2011年:880万人(120%)

2012年:975万人(110%)

2013年:1050万人(108%)

2014年:1270万人(121%)

2015年:1390万人(110%)

2016年:1460万人(105%)

2017年:1500万人(103%)

その打率は、64打数63安打:打率9割8分4厘

本塁打率51%

投資した費用を回収した物を安打

期待値を上回った物を本塁打としています

何故これほどの打率になるかと言えば、確率思考も戦略論です

つまり、勝てる確率が高い戦いをしているという事です

森岡氏は、ビジネス戦略の成否は確率で決まると断言しています

成功確率を上げる方法は、無意識に情緒的な決定をするのではなく合理的に準備して戦う事だと森岡氏は言っています

目に見えている物に惑わされず本質を見抜く力が最も重要

物理的に目に見えている物は、ほぼ全て現象

【現象】とは、本体・本質が外的に発現したもの

主観によって感性的に受容された内容が、時間・空間およびカテゴリーなどの主観にそなわる認識形式によって、

総合的に統一されたもの。

その現象を作り上げているのは本質ではありません

現象に向けてアクションを取ったとしても問題を解決出来ません

その現象を作り上げている本質的な原因を見つけ出さなければいけません

目に見えない「原因」を追求する

ヘアケアー商品を取り扱って業界№1の地位にあった企業がそのシャンプーのビジネスでシェアが下がってしまった事があります

マーケター達が原因を分析した所、競合他社の商品価格が下がった事で自社商品の価格が上がっていた事を突き止めました

しかし森岡氏曰くシェアが下がったというのは現象に過ぎないし、平均価格が上がってしまった事も現象にすぎない

よって平均価格が上がってしまった「原因」を追求しなくてはいけません

こうして、何故?何故?っと現象から原因を掘り起こし、更に何故?っと自問する事で問題を作り上げてきた「本質」が見えて来ます

一見何気ない現象からも何故?と思う癖を見つける事が重要です

人の手は何故2本で足は何故2本なのだろか?

自分の頭は何故人よりも大きいのだろうか?

何故?何故?っと本質まで掘り下げて行くとDNAまで辿り着きます

DNAという核を基本にして自身の身体の構造を作り出しています

これは人だけではなく犬でも猫でもバナナでもその仕組みは同じです

バナナのDNA遺伝子は50%が人間と同じです

人間とバナナの本質が同じDNAを核にしているという事実

サルと人間で言えば99%が同じで違いはたったの1%です

しかしそのDNAの違いによって現象が異なるという事実

サンフランシスコのダウンタウンにいる客引き兄ちゃんと日本の客引き兄ちゃんは、醸し出す雰囲気や顔つきなどが非常に似ています

日本の銀行員とアメリカのBAKの従業員も似ています

トラックの運転手、建設業のブルーワーカー、土木作業員、国境や人種が違うのに「職業」が一致していると凄く雰囲気が似てきます

この「現象」には「本質的な何か」があるはずです

仕事の性格によって人間の属性を振るいにかけると目には見えない仕組みが社会にはあるのだと思うのです

人は仕事を選ぶけれど、仕事も人を選んでいるという事に他なりません

人はその属性によって振るいにかけられ目に見えない仕組みによって、職業や社会においてそれなりの所に落ち着いていく

国や人種が違ってもよく似た人種が一定の仕事に付いて社会全体として一定の構図に収束していくのではないだろうか

まとめ

森岡氏は、資本主義の本質は欲望だと定義しています

資本主義社会とは、人間が持つ欲望というDNAを核にして様々な現象を生み出しているのだと

この考え方を元に自分が戦うマーケット、市場構造、ストラクチャー(全体)の本質が何なのか?

つまり、市場構造を形作っているDNAの正体に迫ります

市場構造の本質さえ解れば、その市場で勝つ為の戦略を【何処に集中】するべきか、そしてそれは何故なのかがはっきりと見えるようになります

市場構造を理解する事でヨットが風を使って前に進むように市場のエネルギーを利用して前に進む事が出来るようになります

あなたが初めて車を運転するとしたら先ずは、ハンドル、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、

と車の構造を理解しない限り鍵を回してエンジンを掛けても車は走りません

あなたのお店が壁を越えないのは、思考の偏りや、こだわりです

どう戦うかではなく、何処で戦うかが重要です

つまり【砂漠で水を売る】という考え方で市場を分析して市場構造、ストラクチャー(構造)を理解した上で数学的根拠を元に論理的かつ柔軟に勝てる施策を絶え間なく打ち出す事が

繁盛店を作っていく上で重要な事なのです

森岡氏はUSJを「映画だけの専門店」から「世界最高のセレクトショップに生まれ変わらせた経緯について、

最も大切なことは作り手の間違ったこだわりではなく、消費者がUSJのチケットを「買う確率」を純粋に高くする方法だと言っています

そして最後にこう綴ります

【困ったら現場を歩け、答えは必ず現場にある】

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